九大入学試験AO入試英語試験

九大入学試験AO入試英語試験記述問題例解

九州大学の法学部のAO試験サンプル問題が同大学のウェブサイトに掲載されています。
解答は一部の3択問題を除いて、記述式問題(英作文)となっています。記述問題の部分について、解答例を作成しましたので、マイヤー英会話の生徒さんほか、九大法学部のグローバルバンテージプログラム(GVプログラム)のAO受験を考えている方は参考にしてください。この解答あるいは回答は、あくまでも九大が公表しているサンプル問題に対応する例となる解答回答であって、模範解答というものではありません。模範解答は、問題出題者すなわち九州大学法学部に譲らなければなりません。

問題およびパッセージは以下にハイパーリンクする九大のウェブサイトにpdfファイルで掲載されていますので、これを引用します。
http://www.law.kyushu-u.ac.jp/prospective/gvSampleExam2013.pdf

例解・サンプル解答

Disclaimer:以降に記載される記事は上記アドレスに公開されている九州大学法学部のAO受験の英語試験サンプル問題(Sample examination)に対する筆者の独自のサンプル回答です。問題作成法人(九州大学)の検討を受けておりません。その範囲でご利用ください。

グローバルバンテージップログラムAO試験サンプル回答についての全般的な注記

以下のサンプル解答については、答案例:として記載している英文がコンテンツの中心になりますが、そこに行きつくまでの思考の経路などもあわせて紹介しています。当然のことながら、英文の書き方はひとつだけに限られるものではありません。各設問の前段である、パッセージに言及して問いに答えなさい、の部分については自ずと正解のコンテンツはひとつになります(表現の仕方は様々)が、後段の問いである、あなたの意見を述べなさい、という部分についてはコンテンツ自体も(トピックに関連性がある限り)これだけが正しい答えというものはありませんので、紹介している例文は非常に高い得点が期待できる作文のひとつの例(example)を示しています。

Section1

Please read the following article and answer all of the questions below:

Are the flowing sentences “Right” or “Wrong”? If there is not enough information to answer “Right” or “Wrong”, choose “Doesn’t say”.

1.1.1
1,1,2
1.1.3
上記3問については、イエス、ノー、与えられていない、の3択問題です。ここでの投稿の意図から、この解答は省略し、次の記述問題に移ります。

1.2 Please answer the following questions in English. In answering these questions, please refer to the article as well as giving your own opinion.
1.2.1 What are the main criticism of globalization?

大設問に、1.please refer to the article と、2.As well as giving your own opinion とありますから、以下の各小設問ではすべてこの2つのポイントに答えることが肝要と思います。この問題の意図としては、2番目のあなたの意見、にも重きを置いていると推定されるので、答え忘れをしないようにしましょう。

この問題では、What, criticism, globalization がキーワードになります。このキーワードをパッセージから探すと、第3段落に、Globalization has been attacked by critics,(第3段落中の1行目)がありますから、ここから続くセンテンスに回答があります。第2パラグラフがグローバライゼーションを肯定するパラグラフ(Some see globalization as a good thingが頭のトピックセンテンス)、そして第3パラグラフがグローバライゼーションのマイナス点となっています(Others disagree.が第3パラグラフのトピックセンテンス)ので、論の進め方(progression)からいっても、答えはすべてこのパラグラフにあることは疑いの余地がありません。全般的に言えることですが、質問の答えに該当する部分を見つけたら、その他の関連しない部分のセンテンスにはなるべく目を向けないことです。時間を節約するためと、なによりも誤答を避けるためです。

さて、What という問いには、例示として、2つのcriticismが挙げられています。For maintaining inequality in the world rather than reducing it. というポイントと、it often allows employers to move jobs away to cheaper places in other countries.という2つ目のポイントです。IMFの見解の言及は、1つ目のポイントのサポート(証拠文章)、フランスの統計数字などは2つ目のポイントのサポートです。
従って、1つ目の質問はこの2つのポイントを押さえてglobalization のcriticism は何かを述べることになります。次に、あなたの意見ですが、これは問題の主旨として「こういう意見を持つのが望ましい」というものはないと推定されるので、このポイントに関する「自由作文」を求められていると考えられます。

回答欄が7行あるので、1行に12単語として、12X7=84単語。80単語が標準と考えましょう。字を大きく書きがちな人は、1行に12単語入れるのは難しいと思いますので、また設問には「何単語以上で書きなさい」という指示はないので、自分なりの目標単語数を設定しておけばよいと思います。なお、一般的な話ですが(文章の質という点は別として)回答は長いほど(単語数が多いほど)いい評価を得るのは当然のことです。

また、回答のポイントとしては、criticismの2点を読み取ったことを分かりやすく回答すること、また、この第1の回答を終わらせたあとに、段落を変えたうえで、In my opinion などのlinking device (discourse marker)を挿入して第2の回答に移ったことを明瞭にすべきです。

仮に、ざっくりと、第1の回答と第2の回答を半分づつ割くと仮定すると、パッセージに言及するcriticismのセンテンスに40単語、自分の意見のセンテンスに40単語を目安としてみましょう。

答案例

Some market economists such as Joseph Stigliz and Ha-Joon Chang posit that globalization serves to maintain inequality in the world rather than reducing it. The view was supported by IMF report in 2007. Some workers in developed countries also distrust globalization because it allows employers to move jobs away from them to cheaper countries. In fact, only 22% of French people regard globalization as a positive thing.
In my opinion, the history proves the above view right. Globalization facilitates capital in rich countries to be moved to and invested in developing countries where labor intensive industries tend to flourish. People in poorer countries may become stuck in working in manual or other jobs of low productivity. (113 words)

110単語ほどになりましたので、少しトリムできるのだと思います。第1の答えとして、1つめのポイントとしてグローバライゼーションが世界的な不平等を維持する役割を持つこと、2つ目のポイントとして、開発国の仕事が低開発国などに奪われる効果を持つこと、の2つのポイントは必ず残しておくことが必要と思います。どちらかが欠ければ、間違いなく減点の対象になります。それぞれのポイントのサポートとなる点、つまり1つ目のポイントに続くIMFの報告書で同様の意見があること、2つ目のポイントに続く具体例であるフランス人の22%の国民がグローバライゼーションを否定的にとらえているという統計は、単語数を減らすという観点を優先させれば、割愛してもいいのかなと思います。
自身の意見のところは少し冗長感があるので、例えば2番目のセンテンスを完全に割愛することもできます。

こうすると、上のサンプル回答は次のように短縮できます。

Some market economists such as Joseph Stigliz and Ha-Joon Chang posit that globalization serves to maintain inequality in the world rather than reducing it. Some workers in developed countries also distrust globalization because it allows employers to move jobs away from them to areas with cheaper labor.
In my opinion, the history proves the above view right. Globalization facilitates capital movement and as a result, people in poorer countries may become stuck in working in manual or other jobs of low productivity. (82 words)

単語数82単語となり、与えられた解答欄に余裕をもって記載できる分量になりました。
以下の解答例においても、全般的に例として少し長めの英文を書いておりますが、上と同様にして、少し重要度が低いポイントを割愛する、冗長なフレーズを自分の言葉で言い換えて短くするなどして、それぞれの解答について、各自の目標とする単語数に適当に調整してください。

1.2.2 How does Adam Smith explain market integration in the Wealth of Nations?

この問題では、How explain, Adam Smith, market integration Wealth of Nation などがキーワードになります。Adam Smith、Wealth of Nation など、固有名詞のキーワードがある場合は、パーセージの回答部分の特定が極めて明瞭になります。

第5パラグラフの3行目にAdam Smith の名前が、第4行目にWealth of Nation が出てきますので、該当する答えの部分はこのあたりにあることになります。また、explain, market integration については、それぞれパッセージの中で、his description、the integration of markets がそれぞれ第4行目、第5行目にあります。また、describeが13行にあります。Explainなどの動詞(あるいは普通名詞)はたいていの場合、設問で使われる単語は、パッセージの中の単語とは全く同じものではなく同じ意味を表す他の用語で代用されていることが普通ですので、同義語(synonym)に注意してください。英語は同じ単語を繰り返し使うことを嫌う言語なので、使える同義語・類義語がたくさんあります。この場合、explain とhis description(またはdescribe)は、ここでは要は同じ意味です。

従ってこのパッセージに言及してのこの問題への答えは、his description 以降のセンテンス、His description of economic development has as its underlying principle the integration of markets over time. As the division of labor enables output to increase, the search for specialization expands trade, and gradually, brings communities from disparate parts of the world together. The trend is nearly as old as civilization. Primitive division of labor, between “hunters” and “shepherds”, grew as villages and trading networks expanded to include wider specializations. Eventually, armorers to craft bows, carpenters to build houses, and seamstress to make clothing all appeared as specialist artisans, trading their wares for food produced by the hunters and shepherds. As villages, towns, countries and continents started trading goods that they were efficient at making for ones they were not, markets became more integrated, as specialization and trade increased. This process that Smith describes starts to sound…..にあります。この部分は、単語数130単語ありますから、50単語ほどに要約するのが仕事になります。

主にコンセプトとしては、仕事の分業による業務の専門化が生産量を増大させる⇒取引が拡大し、分断されたコミュニティを一緒にする。例として、原始の時代では、村々での取引が広がるにつれ、猟師と羊飼いの分業が進む⇒弓を作る者、家を建てる大工、服を作る裁縫師などの職人が現れ、製品を猟師と羊飼いが生産する食料と交換する⇒村、国、大陸がそれぞれの生産に優位性のある製品を不得手である製品と交易することが進むにつれ、世界はますます統合が進み、専門化が進む。
といった内容を要約することになります。単語数で言うと2分の1から3分の1ほどの縮小になります。

要約というのは簡単そうで難しいので、練習を必要とするところです。肝要なところとしては、原文の一文をそのまま「コピー」して切り貼りしてつなぐのではなく、要点を十分にかみ砕いて理解したうえで、頭を切り替え、新しく「自分の英文を書く」、すなわちparaphraseするというところだと思います。採点者が求めているのは、筆者の考えるところを英語で表現する技能だからです。ただし、激しく誤った書き換えは、逆効果になりますので、自分の力量を過信せず、書き換え(paraphrase)は間違いなくできるものだけにとどめておくようにしましょう。要はもらえるスコアの最適化です。この観点から下記の例解では書き換えはあまりしていません。「下手の考え休むに如かず」です。大学入試の英語の問題にはおのずとレベルに限界がありますので、必要以上に回答を難しくすることはありません。

自分の意見の部分では、アダムスミスという偉大な経済学者の意見に書き足すことも現実的にはそれほどはできないと思うので、話題にそれない範囲で適当に何かを言っておけばいいのではないでしょうか。

答案例

Adam Smith explains that the development of economy accompanied by division of labor or specialization leads to market integration over time. Primitive division of labor grew and eventually, armorers, carpenters, and other artisans appeared, trading their goods and services for food produced by hunters and shepherds. As villages and countries traded goods that they were efficient at making for ones they were not, markets became more integrated, as specialization and trade increased.
I think his explanation seems too simplistic for possibly a very complicated subject, still his theory sounds convincing. Considering the time when the book was written, however, it may be limited in applicability to the modern world. (110 words)

1.2.3 When did the process of globalization begin?

キーワードはwhen began, process of globalization です。
第4パラグラフに the answer depends on when you say the process of globalization started.第7パラグラフに in 1492, accelerated the process of globalization. そして、argued in a 2002 paper that globalization only really began in the nineteenth century. さらに、次の第8パラグラフにIt is clear that globalization is not simply a process that started in the last two decades or even the last two centuries. It has a history that stretches thousands of years, developing into the globally interconnected societies of today.

すなわち、いつグローバライゼーションが始まったかは、一概に断定できない複雑な問題のようです。回答としては、考えようによりいつグローバライゼーションが始まったかは定かではなく、いくつかの異なる解釈ができること、パッセージに言及されている例を盛り込み、そしていつグローバライゼーションが始まったと理解するかにより、グローバライゼーションが世界にもたらす影響が吉であるか凶であるかの議論を大きく左右するという点を入れればいいと思います。あなたの意見としては、グローバライゼーションはだれだれの言うようにいつ頃はじまったと考えられ、自分はこう思う、なぜなら、こういう証拠があるから。みたいな内容でまとめればいいです。

回答例

Globalization is not simply a process that started in the last two decades or even the last two centuries and there are many different views of when the process of globalization started. For example, Adam Smith argued that the discovery of the Americas in 1492 accelerated the process but he indicated the process already started thousands of years ago. Kevin O’Rourke and Jeffrey Williamson thought globalization began in the 19th century.
I believe that the modern globalization started around 17th century when maritime circumnavigation was made possible after the industrial revolution in Europe. Consequently, Japanese people were exposed to Portuguese, Spanish and people from other European nations who sought for trades with Japan. It had a tremendous impact on the Japanese society and economy. (122 words)

Section2

九州大学法学部のAO試験の学生募集要項の中に、英語学力試験の注記として、「法学・政治学の知識は必要ありません」と書いてありますが、また同時に個人面接の注記に、「法律学を学ぶ適性・能力・意欲を評価します」とあります。このセクションのパッセージはアメリカのLaw School(法科大学院)の履修年数に関する話題です。大学が九大学生募集要項内で声明するとおり、特に法学の知識がないと読み取れないというパッセージではもちろんありませんが、法学に関連するパッセージが2問のうち1問は出される可能性があることを示唆しており、このAO試験を受験する受験生は読み物のジャンルとして法律関連の記事に興味を持ってすすんで目を通しておくと良いかもしれません。

セクション1と同様に、2.1.1, 2.1.2, 2.1.3 の問題はイエス、ノー、与えられていない、の3択問題となっています。同じ理由でここは省略して、記述問題に移ります。

2.2 Please answer the following questions in English. In answering these questions, please refer to the article as well as giving your own opinion.

インストラクションはセクション1と同じで、1.please refer to the article と、2.As well as giving your own opinion の2つの問いに答えなければなりません。セクション1でも述べましたが、試験というプレッシャーの中で、平常心を保つことは難しいことです、2番のあなたの意見を述べなさい、という問いに応えることをくれぐれも忘れないようにしましょう。仮にすべての小問についてすべて回答するのを忘れると、3問の回答が中途半端なものになり、大きな減点を免れません。

2.2.1 What are the main disadvantages of studying law for three – rather than only two – years in law school before joining a law firm?

さて、例によって、設問をよく読みキーワードを特定します。What, main disadvantages, studying law, three years, (rather than for two years), law firm などです。特にthree years, two yearsは決め手になります。これらのキーワードが登場するのは、第4パラグラフです。答えは、That has led critics – now including Mr. Obama – to suggest that law schools cut their course work down to two years.のあたりにあるセンテンスとなります。指示語であるthat は何を指すのか、というのがこの問いのコアだと思いますが、このセンテンスの前に展開されるロースクールで3年間勉強をすることから生じている好ましくない状況(つまり設問であるwhat are the main disadvantageに対する答え)をさしています。

このパラグラフの中で記述されているdisadvantages は、2年の勉強に比べて、卒業までに余計な追加の時間がかかること、授業料の上昇と相まって、卒業生は過大な借金を抱えて卒業する結果になること、一方、弁護士事務所の採用が減少している状況の中、法務大学院卒業後の失業者の増大につながっていること、が挙げられています。ちょっと考えると、卒業後の失業率の増大と、3年間の法律の勉強とは関係がないように思えますが、そのような「分析」は必要ありません。パッセージにそう書いてある以上それを答えの中にいれればいいのです(実際のところ、なぜ3年の法律の勉強と卒業後の失業の増大とに関連性があるのかは、この後のパッセージで展開されています)。

解答例

Main disadvantages of studying law for three years rather than two years suggested in the passage are threefold. The first one is the very fact that it takes longer to graduate when you really could complete studying law in two years. The second disadvantage is financial; combined with the latest trend of ever increasing tuition fees, graduates are burdened with big debt. One estimate indicates it $140,000 by the time they finish three years of study. Lastly, it plays a part in more law school graduates ending up being unemployed after graduation.
In my opinion, the biggest and the most serious issue seems the unemployment issue for the law school graduates. It will be a huge waste for the society if very highly educated and talented people remain idle. (128 words)

2.2.2 What are the main innovations that law schools have introduced in order to make the third year of law school more attractive to potential students?

キーワードは、what, innovations introduced, third year, more attractiveなどです。パセージの中からこれらのキーワードを含むセンテンスを探しましょう。第5パラグラフの3番目のセンテンスに、(Some schools are trying to) reinvent the final year.とあります。例によって、同義語が用いられているのですが、reinvent がinnovations introduced、final yearがもちろんthird yearにあたりますので、答えはこれ以降のセンテンスにあるということになります。New York University is placing students in foreign universities or in government internship, while Stanford Law School has emphasized interdisciplinary classes and clinical courses.という部分が答えの中心になります。このあとになぜこれが魅力的かなどの追加情報を加えるサポートの文章が続きますので、そのサポートまでを含めてあなたの回答の中に入れるかどうかは、文字数の戦略によるでしょう(上記したように、回答の文字数は多いほど当然にスコアを上げるポテンシャルを持っています)。下の回答例ではサポートの部分を含めました。

回答例

New York University is placing students in foreign universities or in government internships. On the other hand, Stanford Law school emphasizes interdisciplinary classes and clinical courses. Internship or clinical courses are interesting to students as well as being practical for learning purposes. Because the salary of new graduates from law school is high, their employers are increasingly reluctant to provide them with on-the-job training. Under such circumstances, law schools can now fill the gap in the need for the clinical training.
If I were a student studying at a university to practice law in the future, I would certainly prefer practical training to classes on obscure topics. (110 words)

If I were の部分は2つ目のタスクである、「あなたの意見を述べなさい」 に答える部分です。非常に忘れやすいところだと思うので、くれぐれも回答漏れをしないようにしましょう。内容自体はたわいのないコメントですがそれで構いません。時間がありませんし、とにかく思いつくことを何か書いておけばいいです。なおここでは、仮定法(中でも仮定法過去またはconditional 2)を使いました。仮定法使えますよ(be動詞はアカデミックライティングにふさわしく正しくwereを使ってます)、相応の加点を頂戴というアピールだけの目的です。すべてにわたって言えることですが、作文ではボキャブラリ、センテンスストラクチャー、グラマーなどが大きな評価ポイントになりますので、自信をもって披歴できる知識は採点者にできる限り幅広く見せるように、サービス精神をもって書きましょう。当然のことですが、「書かないものは評価(加点)されません」。

2.2.3 Why does Barak Obama think that supporting two-years of law school is “probably” a controversial thing to say”?

キーワードはWhy, Barak Obama, think, controversial, to sayです。圧倒的なキーワードは固有名詞であるBarak Obamaです。これらのキーワードをパッセージから探すと、第1パラグラフの最初のセンテンスに出てきます。”This is probably controversial to say” said Barak Obama.です。いうまでもなく、this というレファランス語はそのあとのBut以下の従属節の内容を指しています。つまりロースクールの3年間を2年間にしてはどうかという提案です。ここで、肝心のWhyに対する答えが書かれているセンテンスはどこでしょうか。もう少し読み進めなければなりません。すぐに出てきますが、この段落の3番目のセンテンス、his idea could put many of his former colleagues out of work. が設問に答えるセンテンスになります。

答えが大変に短いので、80単語ほどに回答を膨らませるには2つの方法があります。1つは、この答えのサポートをしている内容を探し出してきて、膨らませるか、2つ目の方法は、「あなたの意見を書きなさい」の部分で膨らませるかです。ここでは、後者を採ってみましょう。 なお、この部分の最後のセンテンスはSome People may からI strongly support Barak Obama’s idea までセミコロンでつないだフレーズも含んで、4つの独立節(Independent cause)を含んだ55単語の長いセンテンスとなっています。1センテンスは長ければ良いというものでもありませんが、文章の構成として、重文(compound sentence)(この場合は従属節も含んでいるので、より正確には重複文Compound Complex Sentence)は使い方により書き手の高い文章構成力を示すことがあります。少し冒険をしていますが、個性的、フレキシビリティを示すという観点から、チャンスがあれば長いセンテンスにチャレンジするのも戦略的に悪くないと思います(受験者の数が少ないー2018年度では15人程度ーので印象に残る可能性あり)。

回答例

The reason Barak Obama thinks it controversial is that his suggestion could potentially put many of his former colleagues at law school out of work. If the number of years at law school is shortened to two instead of three, schools will naturally require less professors and faculty members.
In my opinion, the more important consideration should be what is the best for students, rather than the welfare of law professors and other grownups. Some people may try to preserve the status quo; keeping to three year curriculum for law students rather than two years, but based on the premise that the study could in fact be completed in two years, I do not see why it has to be unnecessarily extended, therefore, I strongly support Barak Obama’s idea. (132 words)

Section3

次のセクションの問題は
Please answer the following question in Japanese within 800 letters. Question:
3. In what way has globalization changed education?

このサンプル問題は前年から掲示してありましたが、回答時間は150分と書かれています。
本年度の九大法学部のAO試験の英語試験はウェブサイトの募集要項によると、英語の試験は回答時間120分とある(また日本語の小論文を含むとは書いていない ) ので、このサンプル問題に含まれている最後の日本語のエッセイの問題は今年(つまり令和2年)の入学試験では削除されると想定されるので、ここでの解答例は省略します。

セクション1とセクション2だけの問題を想定すると、試験時間が2時間で、600単語前後のパッセージが2つ、そのうち3択問題が6問、記述問題(作文問題)が6問となります。作文問題の解答すべき英文の単語数をそれぞれおよそ80単語とすると、80X6=480単語となります。例えば、IELTSの作文が1時間で400単語以上という設問との比較から言えば、2時間あれば十分に回答できる時間といえます(IELTSはこの試験同様に手書きの解答です)。

上記のサンプル回答では、パラフレーズはあまりしていません。パラフレーズをして墓穴を掘る(間違える)リスクを考えれば、また時間を節約する観点から、合格するための効果的な解答としては、サンプル回答にある程度のわずかなパラフレーズを目安にして回答すれば十分と思います。自由に自分の英文を書ける能力については、自分の意見を述べる後段の部分で採点者に評価してもらえればテストの意図に良くかなっていると思います。

すでに上で述べたとおり、サンプルの解答は少し長め(平均120単語くらい)に書いてあります。冗長な部分をすこし端折って(割愛するかパラフレーズするか、またはそのミックスで)自分の目標とする単語数にあわせてみましょう。(なるべくコンテンツを残しながら)単語数を削減するのは英作文のよい練習になります。

九大法学部AO試験ほかの大学入試問題の英語・英作文についての他の記事:
東京大学英作文例解(ユーチューブビデオ)

筆責者:永江俊一
マイヤー英会話代表
東大卒/TOEIC990

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平成28年6月初旬をめどにマイヤー英会話の大橋校を開校します。
先行してマイヤー英会話大橋校URLを作成しました。クラスの申し込みが増え次第営業日の曜日を随時増やしていく予定です。
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5月頃より入会予約を受けてまいりますので、南区にお住いの方はぜひともマイヤー英会話大橋校をご利用ください。

永江俊一

マイヤー英会話代表者

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